無意識に行われる情報処理
あなたは今友達とショッピングセンターにいるとします。
カフェでお茶をして、友達と楽しく話しているところを想像してみてください。
ショッピングセンターの音楽やアナウンス、また周りの席のお客さんの話し声が多少大きくても、あなたは相手との会話に集中しているので、あまり気にならないはずです。
というのも私たちは一種のフィルターを無意識に働かせて、関心のある情報以外はシャットアウトしているのです。
実際その状況を動画等で撮っていると、耳に入らなかった周囲の音もしっかりと録音されているはずです。
このように無意識に行われる情報処理をカクテルパーティ効果といいます。
ただし、本人が意識していない情報が完全に遮断されているわけではありません。
車の騒音がうるさい道を歩いていても、名前を呼ばれば、多くの人は気づくと思います。
つまり、私たちは意識していない情報でもその内容が重要かどうかを無意識のうちに処理しているのです。
頭のなかにあるネットワーク
あるひとつの概念に関連があるものはその近辺に、関連の薄い概念は遠くにというように、人間の記憶は様々な概念や知識をネットワーク上に配置していると認知心理学では考えています。
そしてそれぞれの概念はリンクによって結ばれています。
ところが先に入ってきた情報処理の仕方によって、後から入ってきた情報の処理速度に影響があることが証明されています。
これをプライミング効果といいます。
例えば、単語テストを行う場合、事前に答えになる語を見せている場合は、見せていない場合と比べて正答率が上がります。
逆に事前に違う答えを見せられていると、間違った回答をする可能性があります。
つまり人間はひとつのプライムを処理すると、無意識のうちにそれに近い概念を活性化させ、リンクを伝わって、ネットワークを広げているのです。
このため活性化された概念は、他の概念に比べて処理されやすくなるのです。