メモリー・ブロック
会ったことがあるのに名前を思い出せないという経験はないでしょうか?
またテレビで芸能人を見たときに、名前が出てこない経験をされたことは、だれでもあるのではないでしょうか?
そのように思い出せそうで、名前が出てこない現象を心理学ではメモリーブロックといいます。
メモリー・ブロックは「疲れているとき」や「緊張しているとき」など、精神的に不安定なときに、よく起きるといわれています。
年齢別でみると、歳をとるにつれてよくみられますが、若い人でも起きる現象なので、老化したと悲観することはありません。
加齢とか、記憶力がいい悪いとかではなく、そもそも人の名前というのは、顔に比べて記憶することが難しいとされています。
人の名前と顔は記憶する場所が違う
イギリスのノッティンガム大学のバートンの研究によると、「顔」はすぐ覚えられるのに、「名前」は覚えにくいとされています。
人の顔:映像イメージとして、記憶される
人の名前:無意味情報として、記憶される
つまり、「顔」と「名前」は記憶する場所がそもそも違うということです。
そのため、顔はわかるのに、名前が出てこないということがおきます。
無意味情報は思い出しにくい
人の顔は映像イメージとして、記憶されます。
映像イメージとはテレビや映画、景色をみた時と同じ領域に記憶され、比較的引き出しやすいです。
一方、人の名前は基本的には意味のない情報です。
これを無意味情報といいます。
無意味情報は、記憶がなかなか引き出しにくいです。
例えば、全く意味のない言葉の羅列や、規則的でない数字の羅列等を覚えるのは大変です。
年号や電話番号に語呂合わせをして、意味づけすることは、無意味情報を意味のある情報へと置き換えているということです。
人の名前が出てこないことがあっても、老化でも記憶が悪いわけでもなく、ただ意味のない情報なので、思い出しにくいだけということです。
先ほどの語呂合わせのように、名前に対して意味を持たせたり、名前から連想するイメージとして記憶したりすると、すぐに思い出せるようになります。