部下がリーダーに求める能力とはなんでしょうか?
下記のようなアンケート結果があります。
「部下が管理職に求める能力ランキング」
第1位 判断力
第2位 リーダーシップ
第3位 傾聴力
第1位は「適切な判断・対処ができる」ということです。
〈適切な判断〉は〈適切なプロセス〉が必要です。
〈適切なプロセス〉のために必要な『判断の方程式』をお伝えします。
こんな方におすすめ!
□できればなんでもフォーマットやマニュアルが欲しい
□自分の判断が正しいのか自信が持てない
□感覚で判断しているため、部下へ教えられない
□時間がもっとあれば…
□自分のパターンを乱されるのは嫌だ
□人に任せるより、自分でやってしまう
□自分の仕事でいっぱいっぱい…
リーダーの判断力を構成する10個のポイント
1.優先順位設定力
・多くの案件の中から、どれを先に判断するべきか順番をつけたり、同じトラブルでも何から判断するべきかの順番をつけたりする能力。
・よい判断のためには最も大切な能力の1つ。
【この能力が発揮できない人の特徴】
□四六時中ずっと仕事に追われている
□すぐに目の前の仕事にとびつく
やることをメモなどにリスト化し、優先順位をつける習慣を身につけましょう。
優先順位をつける際は、重要度と緊急度で判断しましょう。
2.生産性
・限られた時間内でどれだけ仕事ができるかの能力。
・とにかく素早く判断することでなく、よい判断を時間内に行うこと。
【この能力が発揮できない人の特徴】
□判断に自信がなく、考え込んでしまう
□失敗を恐れて、行動できない
時間のかけすぎ=よくないこと
与えられた時間のなかで、ベストな判断を行うことが大切です。
全てのことに対して完璧を目指さず、時には割り切りましょう。
3.問題発見力
・何が問題か見つける能力。
・1つの問題に対して、複数の視点から問題発見できるか。
・「この先に別の問題はない?」「今後同じ問題が起きない?」等、突き詰めて考える。
【この能力が発揮できない人の特徴】
□いつも同じような問題に出くわす
□表面上の問題しか把握していない
問題発生時に「問題は1つじゃない」と考える習慣をつける。
いつもと違う方向から問題を確認する。
ロジックツリーやマインドマップを活用して、問題を洗い出す。
4.問題分析力
・問題に対して仮説を立てて、分析する能力。
・問題の真の原因を追究する能力。
・理想と現実のギャップに気づく。
【この能力が発揮できない人の特徴】
□確認不足、慎重さに欠ける
□忘れ物が多い
□情報に疎い
判断する前に、本当にこの判断でいいのか疑う。
事実確認をする。常に情報収集に努める。
イシューツリー等を用いて、掘り下げて考える。
生産性とのバランスで完璧を求めすぎない。
5.想像力
・新しいアイデアや対策を考え出す能力。
・類似例を応用する能力。
【この能力が発揮できない人の特徴】
□従来のやり方を変えたくない
□完璧なアイデアにこだわりすぎる
□アイディアは0から生み出すと思い込んでいる
量的指向で多くのアイデアを出す。
常に課題を頭に入れ、ヒントがどこかにないか意識をもつ。
幅広い視点、知識の量、考える力を身につける。
6.洞察力
・先を読んだり、範囲を広げて物事を観察したりする能力。
・自店では?全社的には?全体最適の視点で考える。
【この能力が発揮できない人の特徴】
□目の前のことだけで判断する
□視野が狭いと言われる
部分最適ではなく、全体最適で考える。
今自分が考えている1つ外の視点をもつ。
「全体で考えるとどうなる?」「この先どうなる?」
「なぜなぜ分析」
なぜ?を5回ほど繰り返すことで、深く問題を掘り下げることができる。
「観察力」
変化に気づく
「洞察力」
変化の理由に気づく
7.計画組織力
・計画をつくり、組織を使って実行する能力。
・ビジョン設定、部下への指示、教育など。
・(タイム)マネジメント。
【この能力が発揮できない人の特徴】
□計画するのが苦手
□なんでも自分でやってしまう
□教育が苦手
自ら計画を立てる。
やるべきことの1つだけでも、他人にお願いする。
8.当事者意識
・自分の役割を認識し、主体的に行動する姿勢や意識。
【この能力が発揮できない人の特徴】
□自分の役割が認識できていない
□誰かがやってくれるだろうと考える
□目標が不明瞭
□意思が弱い
□視野が狭い
□他責思考である
一旦全てを受け入れる意識をもつ。
どのような出来事にも興味をもつ。
「自分がしなければ誰もしてくれない」
9.意思決定力
論理的に判断したことを明確に相手に伝える能力。
【この能力が発揮できない人の特徴】
□目的意識が薄い
□上司に言われるまま動いている
□理由を言わずになんとなく部下へ指示を出す
意思決定から逃げない。
常に「なんのためにこれをやるか」を意識する。
10.ヒューマンスキル
・対人関係を円滑にするための能力。(配慮、感謝、叱責)
・自分の意思を伝える際に大事な能力
・欠落するとチームは崩壊する。
【この能力が発揮できない人の特徴】
□自分のことで精いっぱい
□周囲への感謝の言葉を伝えることが少ない
□自分の伝えたいことだけ伝える
会話に「ありがとう」をつける習慣を身につける。
リーダーの判断力 代表的な公式
【問題が発生したとき】
問題発見力×問題分析力
→何が問題か見つけ、その問題に対して仮説を立てる。
→複数の視点から問題を考え、問題の原因を追究する。
【意思を伝えるとき】
ヒューマンスキル×意思決定力
→対人関係を円滑にし、チームをまとめる。
→判断したことを明確にメンバーに伝える。
【アイディアを思いついたとき】
創造力×計画組織力
→新しいアイデアや対策を考え出して、計画をつくり、組織を使って実行する。
【問題解決の視点を広げるとき】
問題発見力×洞察力
→何が問題かを考え、その問題の範囲を広げて観察し、分析する。
まとめ
今回はリーダーが求められている能力として、判断力が大切だとお伝えしました。
この内容は店長やリーダー向けの研修でワークを通じて行うこともあります。
例えば、「異動先の部署で突然部下から退職したいと相談があった場合、リーダーとしてどのような対応をしますか?」とか「部下があるプロジェクトの進め方で、揉めているときはどのような対応をしますか?」など、現場で起こる事例をワークにして考えてみることです。
優先順位を間違えたり、時間をかけすぎて対応に遅れたりしないよう、その状況毎に応じた判断が必要です。
10個のポイントをうまく組み合わせて、最適な判断ができるようになりましょう。