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【社保】小売業の店長が把握すべき、パート・アルバイトの社会保険加入要件

小売で店長をしていた際にパートさんの社会保険について、対応することが多くありました。

ご主人が自営業なので自分が社会保険に入りたい方や、できるだけ稼ぎたいけど社会保険加入になると困る方など、社会保険加入について会社人事とやりとりしたり、契約やシフトを見直したりしていました。

パートさんに相談されたときに加入条件をすぐに答えれないと、店長として不安を抱かれる原因にもなるので、常にアンテナを張って最新情報を勉強していました。

小売業の店舗は雇っているパートさん・アルバイトさんが多いので、そういった店の店長で迷ったときに参考にしてください。

社会保険とは?

代表的なものとして「健康保険」「厚生年金保険」のことです。

社会保険に加入することで、健康保険証をもらえたり、厚生年金に加入出来たりします。

社会保険加入の条件

①週20時間以上の契約

②月額88,000円以上の契約

③学生ではない

④1年以上働く見込みである

⑤従業員501人以上の勤務先

①~⑤を契約時にすべて満たすと、社会保険加入になります。

契約時に満たしていなくても、実働が満たしていると、社会保険加入になってしまう可能性があります。

例えば、契約は週18時間に抑えたけど、実際人が足りずに週20時間以上勤務し、給料も月額88,000円を超えることが多くなると、注意が必要です。

企業としても社会保険加入要件を満たしている従業員を未加入のままにしておけないので、店長がパートさんと話しあって、勤務時間を調整する必要があります。

②の月額88,000以上の契約について補足

【例①時給900円、週契約時間21時間のパートの場合】

900円×21時間×4.3=81,270円

⇒社会保険未加入

【例②時給900円、週契約時間21時間、資格手当10,000円のパートの場合】

900円×21時間×4.3+10,000円=91,270円

⇒社会保険加入

※1か月4.3週として計算する。

※交通費、賞与は含まない。

私がドラッグストアで店長だったとき、稼ぎたくて登録販売者資格を取得したものの、88,000円を下回るように勤務しないと社会保険加入になってしまうので、週契約時間を減らさざるを得ない方もいました。

雇用保険とどう違うの?

雇用保険は、労働者が失業した場合や雇用の継続が困難となった場合などに必要な給付を行い、労働者の生活と雇用の安定を目的としています。

一時的に仕事ができなくなったり、就職できなくなったりしたときに、失業時の基本手当や教育訓練給付金などが支給されます。

雇用保険の方が、社会保険に比べて加入条件が広くなっています。

①労働時間が週20時間以上

②学生ではない

③雇用期間が31日以上見込まれる

実際の勤務時間が継続的に20時間を超える場合は、ほぼ強制で加入になります。

社会保険に加入させた方がいいの?

これは個人個人メリット・デメリットがあります。

それぞれのスタッフの事情と相談して、対応しましょう。

企業としては、社会保険加入者が増えると、負担する経費が増えます。

経費を抑えたい気持ちも分かりますが、社会保険加入のスタッフであれば、ある程度の勤務時間がお互い確約されているので、店舗運営がしやすい面もあります。

各店の状況に合わせて判断しましょう。

まとめ

私自身、自分が店長になるまでは「パートさんの社保」について、そこまで興味がありませんでした。

店長になった際に、パートさんの生活や状況を考えたり、店舗の数値を考えたり、シフト作成や雇用契約を考えたりと社会保険加入について、向き合う機会が増えました。

スーパーバイザーをしているときも、店長から相談を受けることが多くありました。

加入条件を知らずに、勤務時間が超えてしまっている店舗もありました。

まずは正しい知識を知って、店舗運営にいかしましょう!

ABOUT ME
みっちぃ
教育大学心理学部を卒業後、小売業で10年以上店長・スーパーバイザーとして働きました。当時6,000億企業で新卒採用、会社ブランド再構築に携わりました。 自身の経験とコンサルティング先での問題解決から、簡単な小売・販売業の知識や悩みの解決方法を書いています。