医薬品登録販売者のヒカル店長です!
以前Twitterでも投稿しましたが、記事でもまとめておきます。
医療用でカロナールが有名ですが、市販薬でも同じ成分で買えるので、ご参考にしてください。
アセトアミノフェンの作用と特徴
解熱・鎮痛薬成分の一つで、脳の体温調節や痛みを感じる中枢に作用することによって、熱を下げ、痛みを感じる中枢に作用することによって、熱を下げ、痛みを抑えるとされています。
消炎(抗炎症)作用はほとんどありません。
一般用医薬品では、総合感冒薬(かぜ薬)のほかに、小児用の解熱・鎮痛薬や小児用かぜ薬に解熱・鎮痛成分として配合されています。
胃にやさしく、眠くならない成分のため、幅広く使用できます。
注意事項
痛みや発熱の原因となっている病気を治すのではなく、症状を一時的に和らげる対症療法として使われるものです。
症状が改善しないときに漫然と使い続けてはいけません。
人によっては皮膚のかゆみ、肝機能の悪化が生じることがあります。
副作用が疑われた時には、服用を中止し、医師や薬剤師、登録販売者にご相談してください。
小児では、製品の仕様年齢や用法を確認の上、保護者の監督のもとに使用してください。
アセトアミノフェンの市販薬
カロナールと同じ、アセトアミノフェン単味剤のみご紹介します。
タイレノール
海外ではメジャーな解熱鎮痛剤。海外からの旅行者を接客すると、指名されることがあります。
1錠当たりの含有量が多い(アセトアミノフェン300㎎)ので、15歳以上の処方になっています。
【用法・用量】
15歳以上、1回1錠、1日3回を限度とし、服用間隔は4時間以上おいてください。
かぜによる悪寒・発熱時にはなるべく空腹時をさけて服用してください。
ラックス速溶錠
パッケージは腰痛の訴求なので、手に取りにくいですが、成分はタイレノールと同じアセトアミノフェン300㎎です。
パッケージの効果効能を見て頂けると分かりますが、腰痛専用の薬ではありません。
カリカリかみ砕くか、軽く口の中で溶かした後、水と一緒に服用してください。
【用法・用量】
15歳以上、1回1錠、1日3回限度とし、服用間隔は4時間以上おいてください。
なるべく空腹時をさけて、かみくだくか、軽く口中で溶かした後、水と一緒に服用してください。
バファリンルナJ
1錠当たりの含有量が少ない(アセトアミノフェン100㎎)ので、7歳以上から15歳以上まで使えます。
水なしで飲めるチュアブル錠です。(苦くないフルーツ味)
【用法・用量】
15歳以上、1回3錠。(3錠服用するとアセトアミノフェン300㎎)
11歳以上15歳未満、1回2錠。
7歳以上11歳未満、1回1錠。
いずれも1日3回を限度とし、服用間隔は4時間以上おいてください。
なぜ胃にやさしいの?
(人の)胃壁はもともと、プロスタグランジンによって、胃酸から保護されています。
アセトアミノフェンは、胃壁を守るプロスタグランジンにほとんど影響しないため、やさしく効きます。
タイレノールは空腹時でも服用可能と記載されています。
(ただし、かぜに溶る悪寒・発熱時には、なるべく空腹時をさけて服用してください。)
他の商品はなるべく空腹時をさけてと記載があります。
有効成分であるアセトアミノフェンの含有量は同じですが、メーカーによって記載が異なるので注意しましょう。
アセトアミノフェン自体は胃腸障害のでにくい成分ですが、空腹時じゃない方が、より安心して服用できると思います。
まとめ
インフルエンザ等になった際もアセトアミノフェンが用いられます。
他の解熱鎮痛剤を服用すると、インフルエンザ脳症(※1)という合併症が関係しています。
アセトアミノフェンは副作用のリスクが少ないということもあり、高齢者や乳幼児に対して用いられることもあります。
自分の症状に対して、どの解熱鎮痛剤を使っていいか分からない際は、薬剤師・登録販売者に相談してみましょう。
※1、インフルエンザ脳症
インフルエンザウイルスに罹患後、高熱・意識障害・けいれんなど急速に進行する神経の障害がみられる病気です。死に至ることもあり、インフルエンザ脳症となった患者さんの約30%が死亡、約25%が後遺症を残しています。主に5歳以下の乳幼児ですが、成人での発症も報告されています。