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【2021年度版】登録販売者とは?資格の取得方法・給料・試験内容・合格率・コロナ禍の採用事情について

登録販売者とは?その仕事内容や資格の取得方法・給料・国家資格なのか・薬剤師との違い・試験内容について紹介します。

登録販売者とは?

登録販売者とは、2009年の改正薬事法(現、薬機法:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)により、新設された公的資格です。

登録販売者が誕生するまでは、医薬品に携わる資格は薬剤師と薬種商のみでした。

薬種商に替わり登録販売者が誕生しました。

長い間、薬剤師の人手不足が問題になっていましたが、登録販売者の誕生により、薬剤師不在でも医薬品販売が可能になり、医薬品の販売業務と調剤業務の分業が可能になり、薬剤師の負担軽減になりました。

また登録販売者がいれば、コンビニや家電量販店、ホームセンターなど、様々な小売店で医薬品販売が可能になり、私たちの生活は便利になりました。

登録販売者は国家資格?

登録販売者が国家資格かどうかは様々な意見が飛び交っています。

結論からいうと、「都道府県によって取り仕切られている国に認められた公的資格」といえます。

すごく曖昧な表現になりますが、そもそも「国家資格」という表現は各省庁ではされていません。

総務省の出している「国の資格制度一覧」に厚生労働省の所轄で記載があります。

そこに記載があるので、「国家資格」ということもできるかもしれませんが、正式な表現ではないので、「国に認められた公的資格」という表現が正しいといえます。

登録販売者の業務内容は?

登録販売者の業務内容は、医薬品の販売です。

ただし、登録販売者が扱える医薬品のみを扱っている店舗は少ないので、それぞれの店舗に応じた販売業に関わる業務全般だといえるでしょう。

例えば、ドラッグストアやホームセンターであれば、医薬品以外の商品の管理や販売等も行うことになります。

また医薬品が扱えるといっても、すべての医薬品が扱えるわけではありません。

年収はどれくらい?

登録販売者の年収は300万円~400万円ほどです。

役職や働き方によって、大きく異なります。

詳しくは下記の記事をご参照ください。

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どんな職場で働けるの?

ドラッグストア

登録販売者の活躍の場として、まずは挙げられます。

医薬品以外にも化粧品、日用品から食品まで様々な取扱商品があります。

ライフラインに不可欠な業態なので、ますます雇用は増えていきます。

会社ごとに個性があり、郊外の独立型店舗で地域密着で働いたり、駅ナカや繁華街など常に新しいトレンドを提供するような店舗もあります。

コンビニエンスストア、ホームセンター、家電量販店

近年ドラッグストアだけでなく、他の小売業でも医薬品を扱うことになりました。

さらに規制の緩和が広がる傾向なので、様々な業種で活躍できる可能性があります。

調剤薬局

意外かもしれませんが、調剤薬局も活躍の場になります。

調剤業務は行えませんが、医療用医薬品以外の接客や売場づくり、店舗運営などで活躍されている方もいます。

薬剤師との違いは?

細かな違いは多くありますが、大きく2つの点で違います。

OTC医薬品の取り扱い品目の違い

OTC販売においては、薬剤師のみ「要指導医薬品」と「第1類医薬品」を扱えます。

とはいえ、医薬品の9割以上が「第2類医薬品」「第3類医薬品」「医薬部外品」になるので、ほとんどの医薬品を登録販売者が扱うことができます。

また薬剤師は高度医療機器資格を合わせて持っている為、コンタクトレンズの販売ができます。

高度医療機器は一定の条件を満たすと、薬剤師以外でも取得可能な資格になっています。

調剤業務の可否

処方箋に基づく調剤業務は薬剤師しかできません。

登録販売者になるには?

登録販売者になるには、各都道府県で実施される試験に合格し、都道府県知事の登録を受けます。

どこかの都道府県で合格すれば、全国どこでも登録販売者として働くことができます。

受験に制限はある?

特に受験資格は必要なく、誰でも受験することができます。

実務経験は必要?

受験するにあたっては必要ありません。

資格を取得すれば働けますが「登録販売者(研修中)」という扱いになります。

研修中でも医薬品販売はできますが、自分以外に管理者要件を満たした資格者と勤務する必要があります。

【登録販売者の管理者要件】

直近5年以内に累計1,920時間以上の実務経験が必要。

管理者要件を満たすと、1人売場に立つこともできます。

また店舗ごとに1人店舗管理者を配置することが義務付けられていますが、管理者要件を満たすと店舗管理者として働くこともできます。

資格試験の難易度は?合格率は?

2020年度の登録販売者試験の合格率は全国平均で42.6%でした。

ただし、試験内容は都道府県や年度ごとに異なるため、受験地域によって合格率にばらつきがあります。

合格基準は全体の7割以上の得点を取り、さらに各試験項目において3.5割以上正解することとなっております。

※滋賀県、京都府、大阪府、兵庫府、和歌山県、徳島県は関西広域連合で実施

独学でも十分合格は可能です。

またスクールも多くあるので、効率的に学びたい人は活用してもいいかもしれません。

出題範囲は?

①医薬品に共通する特性と基本的な知識

②人体の働きと医薬品

③主な医薬品とその作用

④薬事関連法規・制度

⑤医薬品の適正使用・安全対策

詳しい試験範囲は、試験問題作成の手引き・テキストをご参照ください。

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まとめ

ドラッグストア業界の拡大により、登録販売者の年々上がっています。

誰でも受験でき、厚生労働省が認めた資格です。

また一度取得すると一生使える資格になっています。

結婚・出産等で一度現場から離れても、資格があれば働き先を見つけやすいです。

日常生活で活用できる医薬品の知識が身につきます。

ぜひこの機会に目指してみてはいかがでしょうか。

ABOUT ME
みっちぃ
教育大学心理学部を卒業後、小売業で10年以上店長・スーパーバイザーとして働きました。当時6,000億企業で新卒採用、会社ブランド再構築に携わりました。 自身の経験とコンサルティング先での問題解決から、簡単な小売・販売業の知識や悩みの解決方法を書いています。